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教えて!相続先生『贈与税にはどのような制度があるの?』

2020/06/03 [WED]

 今回は、贈与税の負担を軽減するための特例や、

その特例を受けるための要件等について説明します。

 

 贈与税の特例は、主なものは、配偶者間で行なわれる「贈与税の配偶者控除」と

直系尊属(父母や祖父母)から直系卑属(子や孫)に行なわれる

「相続時精算課税」、「住宅取得等資金の非課税」、「教育資金の一括贈与の非課税」、

「結婚子育て資金の一括贈与の非課税」といったものがあります。

 

 贈与税の配偶者控除とは

 夫婦間で、居住用不動産等の贈与があった場合、

最高2000万円の特別控除が受けられるという制度です。(購入資金の贈与を含む。)

 特例を受けるための要件は

① 婚姻期間が満20年以上の夫婦

② 日本国内にある居住用不動産

③ 贈与を受けた年の翌年3月15日までに取得・居住する

④ 戸籍謄本、戸籍の附票の写し、登記事項証明書等を申告書に添付

 

 相続時精算課税とは

 60歳以上の直系尊属から、20歳以上の直系卑属に対する贈与で、

2500万円の特別控除があります。

 また、回数、金額に制限はありませんが特別控除額を超えた場合は

一律20%で贈与税が課税されます。(精算課税を選択した場合、暦年課税には戻れません。)

 特例を受けるための要件は

① 年齢はいずれも贈与があった年の1月1日現在の満年齢となります

② 最初の贈与を受けた年の翌年3月15日までに期限内申告と相続時精算課税選択届出書を提出する 

③ 戸籍謄本、戸籍の附票の写し、住民票等を申告書に添付

 

 住宅取得等資金の非課税とは

 直系尊属から直系卑属に対する住宅購入資金の贈与で、

最大3000万円の非課税限度額が認められています。(令和3年12月31日での時限立法)

 特例を受けるための要件は

① 受贈者は、贈与を受けた年の1月1日現在で20歳以上、その年の所得金額が2000万円以下である。

② 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅を取得し居住するとともに、贈与税の期限内申告をする。

③ 戸籍謄本、源泉徴収票、登記事項証明書及び売買契約書等を申告書に添付

 

 教育資金の一括贈与の非課税とは

 直系尊属から直系卑属(30歳未満)に対する教育資金の贈与で1500万円の非課税限度額が

認められています。(令和3年3月31日での時限立法)

 特例を受けるための要件は

① 受贈者の年齢が、教育資金管理契約締結日時点で30歳未満であり、

  贈与を受けた前年の合計所得金額1000万円以下であること。

② 教育資金管理契約に基づき、信託会社への信託、銀行等への預貯金の預入、

  証券会社等での有価証券の購入が必要となります。

③ 「教育資金非課税申告書」を、金融機関を経由して税務署に提出します。

④ 受贈者が30歳に達したとき、教育資金管理契約が終了しますので、

  残額があれば贈与税が課税されます。

 

 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税とは

 直系尊属から直系卑属(20歳以上50歳未満)に対する結婚・子育て資金の贈与で1000万円

の非課税限度額が認められています。(令和3年3月31日での時限立法)

 特例を受けるための要件は

① 受贈者の年齢が、結婚・子育て資金管理契約締結日時点で20歳以上50歳未満であり、

  贈与を受けた前年の合計所得金額1000万円以下であること。

② 結婚・子育て資金管理契約に基づき、信託会社への信託、銀行等への預貯金の預入、

  証券会社等での有価証券の購入が必要となります。

③ 「結婚・子育て資金非課税申告書」を、金融機関を経由して税務署に提出します。

④ 受贈者が50歳に達したとき、結婚・子育て資金管理契約が終了しますので、

  残額があれば贈与税が課税されます。

 

 贈与税の配偶者控除、住宅取得等資金の非課税制度は、

贈与者が死亡したときの相続税に影響は出てきませんが、

相続時精算課税、教育資金の非課税、

結婚子育て資金の非課税などは相続税開始時点で残額があれば

相続税の対象となりますので、

個々の特例適用要件を十分に確認した上で贈与の検討をしてください。

 

 

広島総合税理士法人