今回は、おじいさんが亡くなってから10年以内に
お父さんが亡くなった場合の相続税の税額控除について説明します。
通常では、相続から次の相続まではかなりの期間があるのが普通ですが、
10年間という短期間で相続の開始が2回以上あった場合には、
相続税の負担が過重となるため、相続税法では相次相続控除(相続税法第20条)という
税額控除の制度を設けています。
1 特例を受けるための要件
① 被相続人の相続人である。
※相次相続控除は相続人に限定されているため、
相続放棄をした人等は対象から外れます。
② その相続の開始前10年以内に開始した相続により
被相続人が財産を取得している。
③ その相続の開始前10年以内に開始した相続により取得した財産について、
被相続人に対し相続税が課税されている。
2 相次相続の控除額の計算
前回の相続において課税された相続税額について、
1年につき10%の割合で逓減したあとの金額を
今回の相続税額から控除するものです。
【計算例】
この度、父が死亡しました。5年2か月前には祖父が死亡しており、
父は祖父から1億5000万円の財産を相続し1000万円の相続税を納めています。
今回父から相続した財産は全体で2億円となります。
① 前回祖父から相続した財産・・・・・・・・1億5000万円
② 前回相続の際の相続税額・・・・・・・・・ 1000万円
③ 今回の相続財産の合計・・・・・・・・・・・・・・・2億円
④ 前回相続から今回相続までの経過年数・・・・・・・・・5年(1年未満切り捨て)
(計算方法)
② ×( ③ ÷ ( ① - ② ) ) × 5年/10年 = 500万円
※カッコ内の計算が1を超える場合は、1で計算します。
このケースの場合、相次相続税額控除の合計額は計算のとおり500万円となります。
広島総合税理士法人