このたび父親の相続が発生し,障害者である私が財産を相続しました。
税務上の優遇規定を教えてください。
相続人が85歳未満の障害者のときは、
相続税の額から一定の金額を差し引くことができます。
これを相続税の障害者控除といいます。
(贈与税にはこのような制度はありません)
要件は国内に住所のある相続人で、
父親が死亡した日において障害者となった方です。
よって、相続日のあとに障害者になった方や,
以前において障害者であったけれど
死亡日において障害者ではない方は
対象となりません。
当然、相続税の納税のない方は受ける控除はありません。
◆相続税の障害者控除
1.要件
要件は以下となります。
・相続や遺贈で財産を取得したときに障害者である人
・相続や遺贈で財産を取得した人が法定相続人(相続の放棄があった場合には、
その放棄がなかったものとした場合における相続人)であること。
2.障害者控除の額
障害者控除の額は、その障害者が満85歳になるまでの年数1年(年数の計算に当たり、
1年未満の期間があるときは切り上げて1年として計算します。)につき10万円で
計算した額です。この場合、特別障害者の場合は1年につき20万円となります。
例えば、被相続人が65歳と6カ月で死亡したとします。
85歳ー65歳6カ月=19年と6カ月≒20年(切り上げ)
10万円×20年=200万円(一般障害者の障害者控除額)
20万円×20年=400万円(特別障害者の障害者控除額)
また、障害者控除額が、その障害者本人の相続税額より
大きいため控除額の全額が引き切れないことがあります。
この場合は、その引き切れない部分の金額を
その障害者の扶養義務者(注)の相続税額から差し引きます。
(注) 扶養義務者とは、配偶者、直系血族及び兄弟姉妹のほか、
3親等内の親族のうち一定の者をいいます。
なお、その障害者が今回の相続以前の相続においても
障害者控除を受けているときは、控除額が制限されることがあります。
(相法1の2、1の3、19の4、相令4の4、相基通1の2-1)
広島総合税理士法人