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広島税理士のひとりごと『役員報酬の設定』

2023/02/19 [SUN]

先日クライアントからこのような質問がありました。

 

「社会保険料を加味した上で法人と個人合計の手取りが多くなるように役員報酬を設定したい。」

 

役員報酬の設定についての質問はよくあるところですが

法人税の負担感を感じられているケースが多いと思います。

 

法人税と社会保険料の関係は検索してみると解説はいろいろ出てきますが

ここは初心に帰って自分でもしっかりと検討しなおしてみました。

 

まず前提となるのは法人の利益、役員報酬設定前に見込まれる利益がどのくらいになるのか?

であって、それをどうやってどのくらい個人に配分し、法人にどのくらい残すのかということになります。

そのうえで、個人への配分を役員報酬か配当で行うことになりますが

 

 役員報酬:法人の損金であるが社会保険料の対象

      ⇒法人税が減るが個人の手取りも減る

 配当:利益配分のため法人の損金にならないが社会保険料の対象にもならない

      ⇒個人の手取りが増えるが法人税負担は増える

 

ことになります。

 

具体的なところを計算してみたところ、法人の税引前利益が800万円となるところ

この辺りが分岐点になりそうです。

 

役員報酬と社会保険料を合わせて利益が800万円になるくらいに設定して

あとは必要に応じて配当でとるといったところでしょうか。

 

細かく考えていくと

・借入の返済資金のための会社に残すべき利益

・個人の生活のために必要な手取

ここまで考えたうえで、どういった設定にするか考慮しないとなと思うところです。

 

参考:役員報酬前設定の利益が1200万である場合に半分の600万を個人に分配する場合

  NO.1 NO.2 NO.3 NO.4 NO.5
役員報酬 6,000,000 4,800,000 3,600,000 2,400,000 1,200,000
配当 0 1,200,000 2,400,000 3,600,000 4,800,000
           
法人負担社保 900,900 738,732 540,540 360,360 176,568
法人税等 1,166,000 1,478,000 1,798,000 2,254,200 2,727,800
個人負担社保 900,900 738,732 540,540 360,360 176,568
所得税等 487,300 417,000 399,300 412,000 392,500
各種税金等合計 3,455,100 3,372,464 3,278,380 3,386,920 3,473,436

 

広島総合税理士法人  大谷 浩史