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教えて!相続先生『小規模宅地特例/相続税のために住家を売るなんて嫌。』

2019/05/17 [FRI]

小規模宅地等の特例とは、被相続人の自宅を相続した相続人や、

事業を承継した相続人の生活基盤を守ることを目的にできたものです。

 

原則の評価方法で計算した場合、多額の相続税が課税され、

相続税の納税のために相続した土地等を売却するということになりかねません。

 

そこで一定の要件を満たして相続をした場合には、

相続税の負担を大幅に減らそうというのが小規模宅地等の特例の趣旨です。

 

今回は、小規模宅地等の特例の概略についてご説明します。

 

(小規模宅地等の特例と対象者の適用要件)

被相続人が事業用や居住用に使用していた宅地等で一定の要件を満たすものは、

80%または50%の評価減が適用でき、相続税の負担が軽減できる制度です。

 

原則として、遺産分割された場合に適用され、未分割の場合は適用されません。

 

土地の形態

相 続 す る 者

保有、居住等の要件

減額割合

限 度 面 積

特定居住用

①配偶者

保有、居住共に要件なし

80%

330

併用で

730

②同居又は生計一の親族

申告期限まで保有し、居住

③上記①②がいない場合で持ち家なしの別居親族

申告期限まで保有

特定事業用

事業を承継する相続人

申告期限まで保有し、事業を継続

80%

400

貸付事業用

事業を承継する相続人

50%

200

 

設例

(特定居住用・限度面積の範囲内)

① 路線価 200,000円

② 面積   300

  200,000円×300=6,000万円

  6,000万円×(1-0.8)=1,200万円・・・・4,800万円の減額

 

(特定居住用・限度面積を超える場合)

① 路線価 200,000円

② 面積   600

  200,000円×600=12,000万円

  12,000万円-(12,000万円×0.8)×(330÷600)=6,720万円・・・5,280万円の減額

 

小規模宅地等の特例の適用については、先に説明したとおり、

相続する土地の形態により減額割合、限度面積が異なりますので、ご注意下さい。

 

相続税の節税対策は早くから準備、実施することで

節税効果のメリットが受けられるものが多くありますので、

本記事を参考に相続税対策の参考にしてもらえばと思います。

 

広島総合税理士法人