国を挙げて賃上げを促進している昨今、
税制面からも賃上げを後押しする制度が「賃上げ促進税制」です。
賃上げ税制の制度自体は、2013年からあった制度です。
毎年細かく要件を変えながら続いている制度ですが、
2024年度改正で中小企業については、
控除しきれなかった金額の5年間の繰越が可能となりました。
※以下、中小企業についての内容となります。
従前記事において、この改正についてお伝えしました。
前回記事:教えて!法人先生『【賃上げ促進税制】中小企業は繰越控除が可能に!!』
適用対象期間は、2024年4月1日以後に開始する事業年度から対象となります。
中小企業の場合、必須要件は一つで、
全雇用者の給与等支給額が前年比1.5%以上であることです。
さらに、上乗せ要件である教育訓練費、両立支援等も満たせば、
最大で給与等支給増加額の45%(法人税額の20%を限度)も
控除を受けられます。
くるみん認定などは、下記にリンクを記載しておきます。
くるみん認定:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/kurumin/index.html
えるぼし認定:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html
また、賃上げが+1.5%で15%、+2.5%で30%の控除を受けられるだけでもいいですが、
これまでは黒字の場合しか適用がない制度でしたが、
今回の改正で赤字でも賃上げによる控除額を翌年度以降に繰越しが出来るようになったので、賃上げ税制の適用があるかどうか、毎年必ずチェックする必要があります。
赤字の場合の繰越控除の申告については、確定申告書等に、
税額控除の対象となる控除対象雇用者給与等支給増加額、
控除を受ける金額、その金額の計算に関する明細を記載した書類、
繰越税額控除限度超過額の明細書、
適用額明細書(法人のみ)を添付する必要があります。
申告書にこれらを添付し忘れてしまうと
翌年度以降への繰越控除はできなくなってしまうので、
必ず明細書を添付する必要があります。
また、その年度での適用がなかったとしても、
前年度以前の繰越を繰り越すためには、
所定の明細書を常に提出する必要があるので、
一度繰越しの適用を受けたら、
繰越控除を使い切る又は5年間は作成し続ける必要があります。
提出を忘れたら適用を受けることができないので、注意が必要です!!
広島総合税理士法人