固定資産税といえば、「土地」や「家屋」は知られていますが、
経営者にとって意外と負担に感じるのが「償却資産」に係る固定資産税ではないでしょうか。
一般的には「償却資産税」とも呼ばれたりしますが、
この「償却資産税」の対象となるのが、
事業を営む個人や法人がその事業のために用いる
構築物・機械・器具・備品などで土地・家屋以外の減価償却できる資産になります。
「償却資産税」は毎年1月1日現在の償却資産の状況を
1月31日までに償却資産申告書により申告(資産の所在する区ごと)し、
課税標準額に1.4%の税率を乗じた金額が税額となります。
この「償却資産税」は、構築物や機械などに課されるものですから、
ある程度の事業規模であれば毎年のように新規取得するため、
継続して税額が発生していきます。
しかも減価償却のように簿価(課税対象額)がゼロとなることはなく、
減価が進んでいっても取得価額の5%は残り、課税対象となり続けます。
そのため、最初のころは小さな金額であっても、
年度を重ねていくうちに毎年結構な税額を納めていることにふと気が付くことがあります。
これがボディーブローと呼ばれる一因ですね。
使用していないもの、現物が既にないものについても、
申告している場合もあったりするので、
自身の申告内容のチェックはもちろん必要ですが、
「もっと抜本的に削減したい!」というのが人の常でしょう。
そこでこれです。
毎年の税制改正によって、
国税を始め、地方税についても改正が行われており、
「固定資産税」についても例外ではありません。
今回は平成30年度税制改正により、
平成30年6月に施行された「固定資産税の特例」制度を紹介しましょう。
この特例制度は、中小企業者や小規模事業者が、
令和3(2021)年3月31日までに、
市町村から認定を受けた『先端設備等導入計画』に基づき、
一定の設備(償却資産)を新規取得した場合、
新規取得設備に係る固定資産税の課税標準が3年間にわたり0(ゼロ)~1/2の間で
市町村が定めた割合(*1)に軽減されるというものです。(下表を参照)
(*1)広島市を始め、広島県内のほとんどの市町村において、
先端設備導入に伴う固定資産税ゼロ措置を実現していますので、ホームページなどでご確認ください。
なお、「先端設備等導入計画」に基づく固定資産税の特例制度の創設に伴い、
従前の「中小企業経営強化税制」の一環として、
固定資産税を1/2軽減する制度は平成31年3月31日をもって廃止されています。
この「先端設備等導入計画」は、
『認定経営革新等支援機関』である公認会計士、税理士等の事前確認が必要となります。
また、手続きや対象資産等、本制度の適用に当たっては、専門家等にご相談ください。
広島総合税理士法人