多くの公益法人が3月末で令和元年度会計期間が終了され、新年度がスタートしましたが、、令和年度の決算作業・決算確定のための諸会議の開催について苦慮されているものと思います。これからも内閣府公益認定等委員会から、発出されると思いますが、今現在(4月3日)で、公表されているもの、並びに、同様の社会福祉法人に対して、厚生労働省社会・援護局福祉基盤課の事務連絡等も踏まえて、対応をまとめてみました。
新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う公益法人の運営に関するお知らせ(3月19日)
①社員総会・評議員会・理事会の開催
やむを得ない事由により、当初予定していた時期に開催できない場合、その状況が解消された後合理的な期間内に開催していただければ、行政庁としては、その状況を斟酌して対応いたします。
なお、これらの会議は以下の方法によっても開催できますので、ご検討ください。
1.社員総会
書面・電磁的方法による議決権の行使(一般法人法第51条・52条)や議決権の代理行使(同50条)、決議の省略(同58条)
2.評議員会
出席者が一堂に会するのと同等に、相互に十分議論できる環境であれば、Web会議、テレビ会議、電話会議などにより開催することもできます。決議の省略(一般法人法第194条)によることも可能です。
3.理事会
出席者が一堂に会するのと同等に、相互に十分議論できる環境であれば、Web会議、テレビ会議、電話会議などにより開催することもできます。
【公益先生の解説】
定款の定めがある場合には決議の省略(一般法人法第96条)によることも可能です。
厚生労働省社会・援護局福祉基盤課の令和2年3月9日の「事務連絡」では注意事項として、「理事長及び業務執行理事による職務の執行状況の報告については、一般法人法第91条第2項の規定(※)に基づき、定期的に理事会に報告をしなければならないことになっており、同法第98条第2項において、これについては、理事会への報告の省略は適用されないとされており、実際に開催された理事会において報告を行う必要があります。」と注意を喚起する連絡文書となっていますので、注意が必要です。
※一般法人法第91条第2項
理事は、3箇月に1回以上、自己の職務の執行状況を理事会に報告しなければならない。ただし、定款で毎事業年度ごとに4箇月を超える感覚で2回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りではない。
②行政庁への書類の提出
やむを得ない事由により、事業計画書並びに収支予算書、財産目録、計算書類、事業報告などのの書類の行政庁への提出が遅れる場合は、行政庁としては、その状況を斟酌して対応いたします。
③収支相償
今般の事態のため事業を中止・延期して予定通り支出できず、今年度は収入が支出を上回りかねないとのご懸念についてですが、もとより「収支相償」とは、単年度の収支が必ず均衡するようしゃくし定規に求めるものではなく、翌年度以降の計画的な解消などによって中長期的に収支が均衡すれば、これを満たすものとして運用しています。
まして、今般の事態の様にやむを得ない事由により収入が支出を上回る場合には、行政庁としては、その状況を斟酌して対応いたします。
以上が、発出された内容です。状況を斟酌して対応との内容ですが、今後、新たな情報が発信される可能性がありますので、適宜発信してまいります。
広島総合税理士法人