2022/03/28 [MON]
今年の3月27日、カヌーイストの野田知佑さんがお亡くなりになったことをネットニュースで知りました。
日本の川でのカヌーツーリングの先駆者でありカリスマといってもいい存在です。
作家でもあり、彼の代表作『日本の川を旅する(初版1982)』は何度も読みました。
ご冥福をお祈りいたします。
私は大学生時代から約10年間カヌーツーリングをやっていました。
ここしばらくは忙しくてやれていませんが、大学時代のサークル活動から始まり、
卒業後もその延長で高知県の四万十川、北海道の釧路川、岐阜県の長良川、和歌山県の熊野川、
お隣山口県の錦川など、色んなところに出かけていきました。
2006,8 和歌山県 熊野川~北山川
初めて四万十川に行ったとき、たまたま近くに講演のため野田さんがいらっしゃった際にはサインをしていただきました。
そして、私より身長が低い彼の握手した手は凄く大きくゴツかったのを覚えています。
カヌーツーリングの魅力とは何なのか。
野田さんもその著書で記されていましたのは、川旅では非日常が日常になるという点です。
川の上流から数日かけて下るのですが、そこでは食べること、寝ること、そもそも
移動が川の上であることなど、全て非日常です。
ですが不思議なことに、途中でそれが慣れてきます。
朝、河原のテントで起きる、一日中ウェットスーツを着ている、
ビールを川で冷やす、流木で焚火するとかが当たり前に感じられるようになります。
すると日常より体が疲れているハズなのに、自然で過ごしているせいなのか頭は逆にリラックスしている感じになります。
まあ、野外トイレとか虫とか嫌な人はとことん合わないでしょうが、
川旅でなくても、旅行好きの方などには多少は分かって貰えるのではないでしょうか。
私は必ず複数名で行っていました。
それは、川で事故があった場合に単独だと対処できる自信が無かったためです。
2人乗りのインフレータブルカヤック(要は丈夫なゴムボート)を用意して何人かでカヌーツーリングに適した川に出かけていき、1日~数日かけて上流から下流へと下っていきます。
こういった日常を友人らと一緒に共有(苦労?)することが好きでした。
野田さんのスタイルは、上記著書に記されていたのは単独航でした。
川で自分独りで全て完結させる単独航はより一層の非日常と思いますが、
当人には最高の日常を独り占めにもできるとも考えられます。
孤高のカヌーイストは私にとってずっと憧れです。
広島総合税理士法人