ある夜更け、税金の神様が枕もとに立たれこんなことをささやかれたのです。
今の国税当局の関心事は、富裕層による海外資産隠しです。
国税当局は税務調査の重点を国際調査に置き、
租税条約等に基づく外国税務当局との情報交換を積極的に実施して、
国際的な脱税の把握に取り組んでいます。
この流れは東京、大阪、名古屋の大都市はもちろん地方の広島にも押し寄せてきています。
富裕層が知っておかなければならないことは、
100万円相当額を超える国外への送金や国外から国内への送金があった場合、
必ず税務署に情報が行くことになっているということです。
さらに、重要なことは、G20からの要請によりOECD(経済協力開発機構)は、
国際的な脱税に対処するため、各国の国税当局間での協力・連携を一層推進することになり、
非居住者が保有する金融口座に関する情報を各国税務当局間で相互に交換する、
共通報告基準(CRS:Common Reporting Standard)を策定し、
『自動的情報交換』が始まっていることです。
CRSの報告システムは、世界の98か国が参加し(米国はすでに独自に同様の制度を整えているため
参加していない。)、世界の金融口座情報が自動的に入るシステムを構築したもので、
2018年からは、日本の居住者が海外に金融口座を持っていれば、
自動的に情報が国税庁に入るようになっています。
これには、ケイマン諸島などのタックスヘイブンやスイスも参加していて、
あの口の堅かったスイスの金融口座情報を国税当局が得ているということです。
国外に5,000万円を超える財産を有する居住者は、
財産内容を記載した「国外財産調書」を提出しなければならないこととされていますが、
税務調査があり未提出の場合は、追加で加算税5%が課されます。
今から、国税当局に海外資産が把握されることを前提に、合法的な税務対策をたてておくようにと…
海外金融口座を作りたくても作れず何の心配もない私に、なぜ税金の神様はささやかれたのでしょうか?
広島総合税理士法人