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教えて!公益先生『基本財産って何ですか?不可欠特定財産とは何が違いますか?』

2022/11/01 [TUE]

旧民法の財団法人では、指導監督基準において、「基本財産は財団法人の基礎である重要な財産であり、其の管理運用に当たって、減少することは現に避けるべきである。」とされていました。

したがって、原則として処分できず、安全確実な方法で維持管理すべきものでした。

 

新制度では、「財団法人の目的である事業を行うために不可欠なものとして定款で定めた基本財産」があるときは、理事は定款の定めによりそれを維持し、かつ目的である事業の妨げとなる処分をしてはならないとなりました。

裏返せば、一般財団法人においては、基本財産を定めないこともできるようになったということになります。

但し、公益財団法人については、認定法第5条16において、認定要件として、「公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産があるときは、その旨並びにその維持及び制限については、維持及び処分制限が定款に定めてあること。」が要件となります。

 

「公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産」について、ガイドラインⅠ-15で、

  1. 認定法第5条第16号の「公益目的事業を行うために不可欠な特定の財産」(以 下「不可欠特定財産」)は、法人の目的、事業と密接不可分な関係にあり、当該 法人が保有、使用することに意義がある特定の財産をさす。例えば、一定の目的の下に収集、展示され、再収集が困難な美術館の美術品や、歴史的文化的価値があり、再生不可能な建造物等が該当する。当該事業に係る不可欠特定財産がある場合には、全て申請時にその旨を定めておく必要がある。
  2. 財団法人における不可欠特定財産に係る定款の定めは、基本財産としての定め(一般社団・財団法人法第172条第2項)も兼ね備えるものとする。一般社団法人においては、基本財産に関する法令上の定めはないが、不可欠特定財産がある場合には、計算書類上、基本財産として表示する。
  3. 法人において不可欠特定財産と定めても、結果として公益目的事業に認定され なかった事業の用に供されていたり、不可欠特定であるとは認めらなかったりした場合には、当該財産は不可欠特定財産とはならない。そのため、公益認定の申請書においてどの事業の用に供するか明らかにする必要がある
  4. 財産目録には、基本財産かつ不可欠特定財産である旨、また公益認定前に取得した財産については、その旨もあわせて記載する。

 

したがって、基本財産≧不可欠財産となります。

 

基本財産とするか否かは、法人の任意となりましたが、財団法人の場合は、一般法人法第202条(解散の事由)第2項において、「ある事業年度及びその翌事業年度における貸借対照表上の純資産額がいずれも300万円未満となった場合においても、当該事業年度に関する定時評議員会の終結の時に解散する」と規定されますので、「財務三基準」の達成も求められ、資産管理の重要性は高くなっています。

 

広島総合税理士法人