ネアンデルタール人とは何か。
現生人類と比較してこれほど興味をそそるテーマはない(私だけ?)
本年2022年のノーベル賞の生理学・医学賞にネアンデルタール人などの
絶滅人類の化石からゲノムを読み解いたスバンテ・ペーボ博士に決まった。
以前沖縄科学技術大学院の教授もされているようだ。
ネアンデルタール人に憧れを抱く者としては心より賞賛と
今後のさらなる研究の進化にエールを送りたい。
ペーボ博士著の「ネアンデルタール人は私たちと交配した」は必読書となる。
ゲノムの専門家が書いただけあって、とっつきにくい点もあるが、
現生人類にもあるY染色体を通じて、ホモサピエンス、ネアンデルタール、デニソワ人の
3種の人類の交配の歴史を紐解く。
実は、ホモサピエンスがネアンデルタール人と出会った7万年〜5万年前よりはるか以前から、
ホモサピエンスはネアンデルタール人のゲノムを保有していたという驚きの報告と、
人間の持つ現在のY染色体はネアンデルタール人から交配により「移転」してきている、らしい。
最近、「ネアンデルタール」レベッカ・サイスク著(筑摩書房)の日本語版がでた。
ホモサピエンス全史のハラリ氏が絶賛して推薦の帯が入っている。(少し大袈裟か、、)
こちらについては、これまでのネアンデルタール研究を歴史的にわかりやすくまとめられていて、
ここまで研究が進歩しているのかという驚きを持って読んだ。
石器の変遷や地球環境や気候との調和、体の不自由な家族への労りや食生活など、
「人間味のある」ことや、一方で重度の怪我や病気など当時の過酷な生活も垣間見れる。
今後の人類の進化に思いを馳せながら、今後の研究が進むことを期待する。
広島総合税理士法人 岡本 倫明