問) ある人が亡くなった場合、その人の遺産はどのように分割して取得すればよいのでしょうか?
答)1 遺産取得の方法
遺産取得の方法としては、次のようなものがあります。
イ 現物分割
一般的に遺産は、土地、家屋、預貯金、有価証券、自動車や家財などの動産など
多種多様のものがあります。
現物分割は、これらの遺産を各相続人間で協議して、
それぞれの遺産そのもの(遺産の現物)を各相続人へ
取得させる方法で一番よく採られている方法です。
ロ 換価分割
例えば、亡くなった人の遺産が一つの土地のみの場合に、
その土地を現物分割するのは困難である場合があります。
換価分割は、遺産である土地を売却して、
その売却代金を各相続人間で協議して取得する方法です。
ハ 代償分割
遺産の分割に当たって共同相続人のうちの1人又は
数人に相続財産を現物で取得させ、その現物を取得した人が、
自己の財産(現金など)を他の共同相続人に対して交付するもので、
現物分割が困難な場合に行われる方法です。
2 遺言で取得させる方法
人は自分の死後に、自分の財産の全部又は一部を特定の相続人などに
取得させる意思を表示することができます。
これを遺言といい、この方法によって自分の財産を相続人などに
取得させることができます。
自分の財産の全部を特定の相続人などに取得させる遺言をすることができますが、
亡くなった人の配偶者や子などには、亡くなった人の財産の一定割合を
承継できる制度(遺留分制度といいます。)があります。
したがって、遺言をする場合には、遺留分にも留意しながら行なう必要があります。
広島総合税理士法人