〈相談者〉
「先生、絵がさっぱり分からないんです。」
〈相続先生〉
「はい?」
〈相談者〉
「言葉足らずですみません。実は相続税の計算で困っていることがありまして。」
〈相続先生〉
「そういうことでしたか。絵の評価の仕方が分からないということですね。」
〈相談者〉
「そうなんです。実は、父は10年以上前に絵の収集をしていたようでして、その時期に集めた絵がたくさんあるのですが、どうにも価格がよくわからないんです。
これって家財一式としてまとめていいですかね。」
〈相続先生〉
「それは一概になんとも言えませんな。詳しくお話をきかせていただけますか。」
相続税の計算における絵画や骨董品の評価は、どのようにすればよいのでしょうか。
国税庁の財産評価基本通達によると、「売買実例価額、精通者意見価格等を参酌して評価する」こととされています。つまり、方法としては、主に2つあるということになります。
売買実例価額とは、市場で売買したときに得られるであろう価格のことをいいます。
具体的には、
同等品が売買されている場合はその売買価額
購入から年数が経っておらず、購入価格が分かる場合はその価格
買取会社の買取査定価格
などにより評価します。
もっとも、1点あたりの金額が少額であれば、家庭用財産として一括で計上することが一般的です。
もう1つは、精通者意見価格です。これは、いわゆる専門家による鑑定評価のことです。
売買実例価額の方が、簡便で安価な評価方法ではあるのは間違いないのですが、
数百万円するような高価な絵画や骨董品は1点ものが多く、売買実例がないことが多いです。
その場合は、鑑定料がかかったとしても専門家に依頼した方がいいでしょう。
広島総合税理士法人