問)借金をして不動産を購入すれば相続税が減ると聞いたことがありますが、
どういうことでしょうか
答)相続税は、原則として基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人)を
超える遺産を相続した場合にかかります。
遺産額が基礎控除額を超えるか否かは、次の正味の遺産額で判定します。
正味の遺産額 = 遺産額-(債務の額+葬式費用の額)
つまり、相続税は、遺産額から債務の額と葬式費用の額を
差し引いた額が基礎控除額を超える場合にかかることとなります。
1 遺産額の計算
遺産額は、現金や預貯金、有価証券などは、
相続開始日現在の残高で計算しますが、不動産は次のとおり、
個々の財産を評価して算出します。
イ 土地の評価額
土地(宅地の場合)は、一般的に時価といわれている公示価額と
同水準の価額の80%程度で評価します。
また、貸し付けている場合は、上記の価額からさらに減額されます。
宅地以外の土地も宅地に準じて、時価より安く評価されます。
ロ 建物の評価額
建物(木造の場合)は、建築価額の概ね50%~60で評価し、
貸し付けている場合は、さらに減額されます。
木造の以外の建物も建築価額から相当程度減額して評価されます。
2 債務の額
一方で、相続税の計算上控除する債務の額は、
相続開始日現在の債務残高で計算します。
3 まとめ
以上の1及び2から分かるとおり、不動産は取得価額(時価)より
相当程度安く評価されますが、債務は相続開始日現在の債務残高
そのもので評価されます。
このように、不動産は実際の価額(取得価額や不動産の時価)より
安く評価しますので、その限りにおいては、
相続税が少なくなるということがいえると思います。
広島総合税理士法人