この春あたりからネアンデルタール人にはまりはじめ
書店に平積されていたので、3、4冊買って読んだ。
話題のきっかけは、
沖縄科学技術大学院大学(OIST)のスバンテ・ペーボ教授が
2022年にノーベル生理学・医学賞を受賞したことに端を発する。
ネアンデルタール人は現生人類にもっとも近いヒト族だったが、
数万年前に絶滅し、その遺伝子は絶えたと思われていた。
しかしながら、ひとりの科学者が数十年に及ぶ苦闘の末に、
化石骨からネアンデルタール人のDNAを復元し、
なおかつそのDNAが現生人類の中に数%残っているという
驚愕の事実を明らかにしたのだ。
ロバと馬が交配してラバが生まれたような錯覚になった。
研究者たちは当初、ネアンデルタール人は残酷で毛むくじゃらの乱暴者で、
単純な思考と血なまぐさい狩猟しかできないと考えていた。
しかし、ネアンデルタール人が
驚くほど現生人類に近い特徴を持つという証拠が増えるにつれ、
一部の科学者は考えを改めるようになったという。
ネアンデルタール人は岩を削って武器やスクレーパー
(削ったりこすったりするためのヘラ状の道具)、
斧(おの)を作り、狩猟でも家庭でも道具を使っていた。
また、木工も日常的におこなっており、
掘るためや槍に使う棒を切ったり、削ったりしていた。
ネアンデルタール人は死者を埋葬したような形跡や、
障害のある人を養った形跡もみられるという。
その昔,大地を駆け回ってハンターをしながら、
家族を思いやって生活するネアンデルタール人に想いをはせている。
広島総合税理士法人 岡本倫明