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『特別企画:細田博之衆議議長に聞く』前編

2023/08/28 [MON]

当事務所の岡本税理士が進行役を務めました『特別企画:細田博之衆議院議長に聞く』の記事が、中国税理士政治連盟の会報『中国税制連』2023年5月号(No.69)に掲載されました。

当HPでも、この記事を前後編に渡って掲載します。

 

・後編はこちら

 

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中国税政連広報委員会は 、櫻内義雄氏( 島根県)以来三十年ぶりにこのたび中国地方から衆議院議長に選出された細田博之議員(島根県第一区)へのインタビューを申入れ 、後援会の尽力により幸いにも取材機会を得ることができた 。

折しも 、通常国会会期中で様々な重要案件が控える令和五年三月十七日(金)の午前 、議長公邸に重近会長、井上幹事長そして矢尾井後援会長が招かれ、岡本広報委員長の進行により、議長の職務をはじめ法案の成立の過程、変容する社会に対する法律のあり方、そしてDX化の進む中での税理士への期待についてお聞きした。

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───インタビュアーの岡本です。中国税理士政治連盟の広報委員長です。本日はよろしくお願いします。一年四か月前に、細田先生は衆議院議長になられましたが、議長という役職上、自民党税調のメンバーから外れるとお聞きしました。やはり、独立性を保持するという観点から税調をはじめ様々な党内活動への制限があるんですか。

 

〈細田〉 議長になると公平中立な国会運営のために会派を離れて無所属になります。従って自民党税調には参加できなくなっています。

 

───分かりました。

 

〈細田〉法案が出て税制が決まり、予算案が決まってゆくのを客観的に見守る立場です。国会にかかっている様子を見ながら、いろいろな問題点もわかる。日本国の国際競争力もいろいろ問題があるし、子育て、少子化、人口が減っていくという問題もあるし、安全保障の問題、それをむしろ私は今、客観的に見る立場にある。あまり短期的視野で物を考えては、日本国は、まだまだ危ないぞと思います。これからだって、どういう災害が起こるか分からないしね。そういう意味では多少、安全サイドを見ながら、その対応をしなきゃいけないと思っていますね。

 この一年間は税調のインナーから外れて客観的に判断できる面もある。税調の会議も若い人がたくさん出て、いろいろな議論をしており、今日は所得税、今日は法人税、今日は、その中の租税特別措置とか森林環境税だとか、そういう議論を積み上げてきた。それは非常に 立派なことなんだけれど、過去の流れにあまりこだわったり、制約を受けて微調整だけで対応するのも考え直す時期が来たなと、そういう実感がありますね。私も自民党で長いこと税調副会長もやり、総務会長とか幹事長とか、いろいろやってきましたからね。

 

───議長の役割と責任ついてお聞かせください 。

 

〈細田〉議長は、いわば各党の調整を俯職して見ているわけです。議長としては、期限どおりに税制の案が十二月に決まり、予算案が十二月の末に決まり、一月に国会が始まって予算案が提出され、税制改正の法律が出てきて、それが二月の末までに衆議院を通過して、三月までは参議院で審議をして、成立して円滑に施行される、それを見守っていくのが議長の大きな責務です。

 だから、それは去年も今年も大体は与野党が協力して円滑に行われている、それは喜ばしいと思っている。それこそ予算案や法案が揉めたり、過去のように三月末に税制改正法案が通らなかったり、そんなことがあると大変ですから。そういう権限というか、各委員会、予算委員会とか議院運営委員会の調整を見守っている。こういう立場です。

 

 

―――分かりました。ところで、国会は国の立法を中枢機関ですが、議長を支えるうえで、どれくらいの国会スタッフがいらっしゃるんですか。

 

〈細田〉国会には職員がたくさんいて、衛視も含めて三千人ぐらいいます。何故こんなに多くのスタッフがいるかというと、フォローしている委員会があります。

 予算委員会の事務局があり、そして財務金融委員会とか、地方税担当の総務委員会、様々な委員会にそれぞれ担当するスタッフがいます。それぞれの委員会で法案を整理し審議をして、予定を作り、討議、質問をし、大臣に対する質問をします。重要な法案は本会議で質問して、その質疑が終わると委員会、本会議で重要法案を最初に議論して、それから、それを委員会に分けて、各委員会が可決をすると、それがまた本会議に上がってくるという。だから、法案の成立にはものすごく時間をかけているんです 。

 

―――衆議院で約千七百人で 、参議院もスタッフがいらっしゃるんですか 。

 

〈細田〉そう。参議院は別に約千二百人。両方で三千人ぐらいです。

 

―――法案審議における留意点を教えていただけないでしょうか 。

 

〈細田〉基本的には与党が過半数であるときは与党の意見が通りがちで、ただやはり法案の中身によっては野党の意見を採用するという場合もあるんですね。そこは国会対策委員会で、各党の間で協議して、これはおかしいんじゃないかと、法案のここをこう直せというのについて合意ができると、修正した上で委員会で通る。それが本会議に上がってくるというわけです。与野党が伯仲のときは、そういった中で議長は仲介の労を執ることもあったんだけれど、最近は与党の協議と野党の協議、与野党間の協議を見守って、大体は調整して成立する。与党が修正に応じて可決するということはあります 。

 それから、もう一つは委員会で附帯決議をする方法があります。この法案は通すけれども、こういう問題がある、これをもっと検討すべきだと、これはこういう問題があるから、これで検討するべきだという、附帯決議を付することがあります。それは本会議でも附帯決議が付されておりますよと言及されて、記録として残る。附帯決議があると、次の国会の質問でも、まだやっていないじゃないかと、そういうようなこともあるわけですね。

 また、今まだ先に進んでないけれど、皇室の在り方で、女系天皇を認めるべきであるというような、女性天皇を認めるべきであるという世論もある。それに対して、国の伝統として『 皇室典範』は男子とすると書いてある。それを検討しなければいけないのではないかということを、二年ほど前にまず政府で始まって、その後の報告を受け、衆議院も参議院も議長が各党に検討するよう依頼しているところです。

 今、男性が今の天皇陛下と皇嗣殿下と、悠仁親王殿下がおられる。これだけで、あと誰一人、男性がおられない中で、二十二世紀に向けて、皇室がどうあるべきかというような議論があって、これも今、衆議院と参議院に課せられた大きな責務でありますね。

 

 

―――まだ時間がかかりそうですか 。

 

〈細田〉 まだ今は各党の意見を聞く段階です。

 

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続く

 

広島総合税理士法人