医療費控除といえば、
医療費が10万円以上でないと税金の還付を受けることができないと思っていませんか?
実は、10万円以下の場合でも還付を受けれる場合があるんです。
総所得金額が200万円未満の者は、
「総所得金額×5%」を超えると医療費控除を受けることができるのです。
(例えば、総所得金額が100万円の人は5万円超の医療費を支払った場合などです)
それ以外にも、2017年からセルフメディケーションという新しい制度ができており、
「医療費10万円」を意識しすぎると、手落ちがある場合があります。
確定申告の掟 その3 セルフメディケーション税制も検討・活用すべし!
健康の維持増進及び疾病の予防へのA『一定の取組』をしている納税者が、
購入したB『特定一般用医薬品』の購入の対価が12,000円を超えるときは、
その超える部分の金額(88,000円が限度)が所得から控除できる制度です。
(2017年1月1日~2021年12月31日までの特例)
A:一定の取組とは?
まずは『一定の取組』ってなんだ!となりますが、
次のいずれか一つを満たす場合を言います。
①健康保険組合、市町村国保等が実施する健康診査
②市町村が健康増進事業として行う健康診査
③予防接種(定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種)
④勤務先で実施する定期健康診断(事業主健診)
⑤特定健康診査(メタボ健診)、特定保健指導
⑥市町村が健康増進事業として実施するがん健診
注1:『一定の取組』には、任意に受診した健康診査(全額自己負担)は含まれません。
注2:『一定の取組』に要した費用は、控除対象になりません。
B:特定一般用医薬品とは?
となると『特定一般用医薬品』ってなにさ!となりますよね。
『特定一般用医薬品』とは、簡単に言うと、ドラッグストアで購入できるスイッチOTC医薬品のことです。
(対象製品は識別マークが明記され、領収書にも★等で対象製品であることを示す表示がされています。)
ただし、セルフメディケーション制度は、医療費控除との選択適用となるので、
一旦セルフメディケーション制度を選択して確定申告書を提出した場合は、
その後(更正の請求、修正申告)において、医療費控除への変更をすることができません。
確定申告の掟 その4 医療費控除とセルフメディケーション税制の有利判定をすべし!
1年間で支払った医療費の中にセルフメディケーション税制対象の薬品の購入がいくらかにより、
どちらで申告した方が有利となるか判断する必要があります。
総所得金額が200万円超の人(10万円以上の医療費の支払がないと医療費控除ができない人)の場合は、
1年間の医療費総額が188,000円を超える場合は、医療費控除を選択した方が有利になります。
次回は医療費控除 第3部、最終回となる予定です。
広島総合税理士法人