問)私は妻、長男、長女、次男の5人家族です。
将来、私が死亡した場合、相続で揉めないようにしてあげたいのですが、
どのようなことに配慮すればよいのでしょうか
答)人が亡くなった場合、亡くなった人(以下、「被相続人」といいます。)の財産は、
原則として、各相続人(本問では、妻、長男、長女、次男の4人)が
相続(取得)することとなりますが、
各相続人がどのような方法で相続するかは、
大きく分けて次の3つの態様に分かれます。
1 被相続人が財産の全部を遺言で相続する者を指定する。
被相続人は全ての財産について、相続する者を自由に指定することができます。
しかし、相続人には一定の財産を相続できるという遺留分制度が設けられていますので、
揉めないためには、遺留分を侵害しない範囲内での遺言をした方が良いと思います。
2 相続人全員の協議によって、相続の仕方を決める。
これを遺産分割協議といい、一番よく採られている方法です。
この場合は、各相続人の要望や意見があり、協議の整わないことがしばしばあります。
相続が開始して、相続人だけで遺産分割協議をすると協議の整わないことがありますので、
生前中に被相続人が主導して、被相続人と相続人を交えて、相続の仕方を決めておくと、
相続開始後には揉めないで済むことができると思います。
生前中の協議は、被相続人の財産ですから相続人からは切り出しにくいので、
被相続人が主導するとうまく行くのではないかと思います。
3 財産の一部を遺言により相続し、残りの財産を遺産分割協議により相続する方法です。
特定の財産については被相続人の意思により相続する者を指定し、
残りの財産については各相続人の協議に委ねることにより、
被相続人、相続人双方の意見が尊重され
比較的まとまりやすい方法ではないかと思います。
4 上記のいずれの方法を採るにしても、後々しこりを残さないことが重要ですから、
相続問題に限らず日頃から家族内で意思の疎通を図り、
何でも気軽に相談できる関係の醸成に努めることが肝要ではないかと思います。
広島総合税理士法人