2019年10月1日から消費税が10%になりました。
これから様々な制度が変わったり始まったりしますので、今回はそれらをまとめてみました。
これまで、消費税率が上がる直前には駆け込み需要が、上がった後には需要の反動減が起こり、結果デフレや給与減まで連続していく景気停滞を経験していました。
その波ができるだけ穏やかになって欲しいといった政策のもと、以下制度が設定されたという認識です。
当コラム執筆中の2019年9月末は、増税前の駆け込みSALE、そして、消費税軽減税率制度及びキャッシュレス決済制度が複雑であることがさんざんニュースになっています。
ですが、需要変動平準化措置について、他に今後何が予定されているの知っておくことで早めに検討することができるものと考えています。
1.需要変動の平準化に向けた措置
高額な耐久消費財の代表例である住宅、車両の購入では、8%と10%との差分2%が与える影響額が大きくなります。
以下、10%適用になる契約の場合に受けれる特例措置が多く設けられたのが特徴的です。
(1)住宅
①住宅ローン減税の特例の創設
住宅ローン減税の10年間の税額控除に加え、プラス3年間(結果として13年間)の税控除を受けることができます。
11~13年目は増税2%分×1/3とローン残債1%とのいずれか低い額の控除になりますが、自身の所得税額等、ローン残債次第で増税分を取り戻せる可能性があります。
②住まい給付金の増額
元々5%から8%増税時に同趣旨で始まった住まい給付金制度が、10%時に最大50万円へとパワーアップします。
ローンが無い場合でも貰うことが可能で、かつ③のポイント制度と違い現金給付なのも嬉しいところです。
http://sumai-kyufu.jp/pamphlet/leaflet_1804.pdf
③次世代住宅ポイント制度
住宅新築やリフォームに対し、商品と交換可能なポイントが最大35万円分(リフォームは最大30万円)が付与されます。
交換可能な商品には、食品から新生活にも使える家具、いざという時の避難用品まで種類はそこそこ揃っている印象です。
https://goods.jisedai-points.jp/jjp01/jjp/viewCategoryTop
④住宅取得等資金の贈与税非課税の延長・拡充
親などから住宅取得等に充てる資金を贈与してもらった際の非課税措置が拡充され、最大3,000万円(省エネ等基準に適合する場合)となります。
贈与税負担が無くなる分、親の援助がし易くなります。
確定申告が必要なことや贈与者、受贈者、家屋仕様や居住時期など要件が多くあり、資金が大きい場合は間違い無いようにしっかり確認しましょう。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm
(2)車両
自動車の保有に係る税負担の軽減
2019年10月以降に初回新規登録を受けた自動車税率が減税となります。
この他、同時に環境性能割が始まりますが、燃費性能に応じ税負担が軽減となります。
(3)その他
①キャッシュレス・消費者還元事業
前コラムでも触れていますが、クレジットカード、電子マネー、QRコードなどのキャッシュレス決済を行った場合に、中小規模の小売、飲食店等で個別店舗で5%、FC加盟店等で2%の消費者還元を得れるというものです。
需要変動緩和と同時に、日本のキャッシュレス決済比率が約1/4と他先進国に比べ低い状況も打開するため、決済機器の導入助成、手数料助成も行うようして推進します。
なお、この制度が終わった後に、個人番号制度のマイナンバーカードによるポイント(マイナポイント)付与制度も続けることが予定されているそうです。
この時と同じくして始まる社会保障の充実化措置、低所得者支援措置の概要も前掲してあります。
(私にも自治体から9月20頃にプレミアム商品券の引換券が送られてきました。)
制度が多いので複雑に感じますが、まずはご自身に関係ありそうな事項を一つ一つ押さえていくとよいでしょう。
広島総合税理士法人