今回は、胎児がいる場合の相続税の申告手続についてご説明します。
民法上、胎児は既に生まれたものと見なされます(民886)。
ただし、その後胎児が死産であった場合、同条は適用されません。
相続税法上の取扱い
①相続税の申告期限までに出生していれば、法定相続人の数に胎児を含めて基礎控除額を計算し、課税価格等を計算しますが、出生していなければその胎児はいないものとして基礎控除額を計算し、課税価格等の計算を行ないます。
②相続税の申告期限後に胎児が無事出生した場合は、出生の日から10ヶ月以内に相続税の申告書を提出する必要があります。また、胎児が生まれたことにより他の相続人に相続財産の異動が生じた場合は、その出生の事実を知った日の翌日から4ヶ月以内に更生の請求を行ない納めすぎた相続税の還付手続をする必要があります。
③申告期限までに胎児が出生していない場合でも、胎児が生まれたものとして遺産に係る基礎控除額を計算して、課税価格を基礎控除額が超える場合は、申告義務がなくなるため、胎児以外の相続人が申告期限の延長を申請すれば、胎児の出生後2ヶ月以内の範囲内で相続税の申告期限が延長できる特例があります。
広島総合税理士法人