今年になって円安の影響が色々言われていますが特に新NISA(少額投資非課税制度)で今年1月から5月までの間に投資信託運用会社などによる海外投資が5.6兆円を超えており2023年では年間4.5兆円程度だったので早くも昨年1年間の海外投資を上回っている状況です。個人が外国株型の投資信託を購入する場合には円を売ってドルを購入する為円相場の押し下げ要因になっています。
これに対抗した措置として海外から国内に還流させる政策として「リパトリ減税」があります。
聞きなれない言葉ですが、リパトリ減税は海外に蓄積された利益を日本国内に還流させる際に課される法人税を軽減させる制度で、海外子会社等の累積利益を日本国内に配当する場合の法人税率を引き下げる措置や海外子会社等の損失を日本国内で損益通算出来る措置などがあります。
海外での導入事例としてはアメリカ(期間限定で導入)やイギリスなどで既に導入されています。
日本でも国内に資金を還流させる施策を取らないと円相場の押し下げ圧力はまだまだ強い状況だと思います。
広島総合税理士法人 小平祥彦